【企画展示「四境戦争への道」みどころ⑤手紙の追伸部分がおもしろい】
展示中の大村益次郎関係資料(山口市指定文化財)は、襖(ふすま)の下張りとして使われていた文書をはがして整理したものなので、不完全なものが多く含まれます。たとえば、青木群平が大村益次郎に宛てた手紙(慶応元年12月24日)は、本文の大半が失われていると思われますし、「尚々書(なおなおがき)」と呼ばれる追伸部分も後ろが欠けています。
しかし、残った追伸部分にも、貴重な情報が残されています。たとえば、前半部分には「大変申し訳ありませんが、そちら(山口)の番代(萬代)に品物の代金を取り揃えておりますので、彼(萬代)より受け取り、速やかに送ってお送りくださいます様、お願い申し上げます」という内容が記されております。青木は、当時益次郎のもとで兵器等の密輸に当たっていた人物として知られています。このときの品物は具体的には分かっていませんが、益次郎による物資調達に萬代家が関与していたということを読み取ることができます。
この度の企画展もあと三日となりましたので、ぜひご観覧ください。