【企画展示「四境戦争への道」みどころ③展示資料に出てくることわざⅡ】
先日に引き続き、村田蔵六が桂小五郎に宛てた手紙の下書き(展示中の資料「英国蒸気船御買入に付議論」)のなかに出てくるもう一つのことわざをご紹介します。それは、「怪俄のヒリ方り(怪我のひり当たり)」です。ことわざ辞典を開くと、「怪我の功名(けがのこうみょう)」と同じ意味のことわざとして出てきます。
せっかくなので、もう少し詳しく見てみましょう。右田昇・末永俊彦・牛尾芙美子編著『宇部の方言』(株式会社ナラブン、2018)には、「ひりあたり」とは「偶然にあたること」とあり、例文として「ええころにとったらひりあたりじゃった」(「ええころ」は山口県の方言で「適当」「いい加減」という意味なので、「適当に取ったら偶然当たりだった」という意味だと思われます)が挙げられています。
「ひりあたり」は、実は維新館の職員も知らないことばでした。みなさんも、未知のことばを求め、展示室に足を踏み入れてみて下さいね!
※怪我の功名… 失敗もしくは何気なく行ったことが、偶然良い結果になることのたとえ。